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「碍」と「害」の意味は「ほとんど同じ」ではない
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【2009/07/02 19:57】 出版・報道
これまで「碍」の常用漢字への追加要望の存在自体を無視して来た読売新聞が追加要望の存在を初めて記事にした。
「碍」常用漢字に必要?…障「害」印象悪く、賛否両論(読売新聞・2009.7.2)
内容としては、これまで「障“害”は戦後の当て字」と言おうものなら鬼の首を取ったように「情報弱者」と糾弾を繰り返して来た面々にも満足の行く内容であることは確かだろう。しかし、しかし、「害」も「碍」も、意味はほとんど同じ。 の部分は余りにも粗雑過ぎていただけない。この記事を書いた記者はそもそも仏教用語の「障碍」と元々は医学用語であった「障害」、ひいては客観的・中立的な「碍」と主観的・否定的な「害」の違いを全く理解していないとしか思えない。しかも、この部分で粗雑な記述をしてしまっているせいでどうして「障碍」表記の復活を求める意見が出ているのか、またマイクロソフトを始めとする民間企業で「害」に代えて「碍」を採用する動きが出ているのかその理由がこの記事を読んだだけでは理解不能になってしまっている。そもそも「碍」と「害」の意味が完全に同じであれば「碍」を復活させる意味は全く無いはずで、敢えて「碍」の復活を求めるのは「碍」は客観的・中立的で「害」は主観的・否定的であると言う違いを認識しているからこそである。また、交ぜ書きの「障がい」に対する忌避感・嫌悪感もその理由であるが。
それに、後半で複数の当事者団体から取った「碍」も「害」も同じ、と言う前提で否定的なコメントを列挙しているがこれこそ中立性を欠いている。「碍」の追加を求めている当事者からも取材すべきなのにこの記事ではただ単に追加要望が20件出されたことを伝えるのみで、追加を求めている当事者への直接取材は全く行っていない。仄聞する所によれば国語分科会長が「碍」の追加に猛反対しているそうなので、この記事は漢字小委員会において追加要望を潰す為の援護射撃が目的なのではないかと疑いたくなる。
そもそも「“碍”も決して良いイメージの字ではない」と言うのが追加に反対する意見の主流になっているが「障」と「碍」は元から同じ意味である。それを言い出すと「障子」や「碍子」は差別的だから名称を変えるなり「しょう子」や「がい子」と交ぜ書きすべきだ、と言う意見が出そうなものだが後者はただ単に「碍」が常用漢字でないが故に半分、実現してしまっているものの前者は恐らく誰も提案していない。「盲」の訓読が差別的であるとして削除された経緯については以前も当BLOGで取り上げているが「盲点」などは差別用語ではないため「盲」の字そのものを常用漢字から削除すべきであるとの意見は少数に留まっているし、訓読の削除を求めた長谷川貞夫氏もそれは求めなかった。
それから、現在「障害者」を用いている法律の改称についても記事中で言及されているが、公明党が法律の条文も交ぜ書きの「障がい」にすべきであると主張していることについては言及されていない。
ともあれ、これまで交ぜ書きの「障がい」がなし崩し的に拡大して行く中で不当に選択肢から排除され続けて来た「障碍」の復活がこうして議論の俎上に載せられること自体は歓迎すべきことに違い無いと思う。出来れば反交ぜ書きの急先鋒として知られる矢玉四郎氏にも「子ども」に続いて「障がい」を取り上げていただきたいが。
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情報弱者と糾弾される前に
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【2009/06/30 19:22】 官公庁・行政
【正論】社会学者・加藤秀俊 地方版「漢字審議会」のすすめ(産経新聞・2009.6.29)
当BLOGの筆者は一貫して「碍」を常用漢字に追加すべきであるとの立場を取っているので、加藤氏の意見については基本的に賛成である。しかし、 社会福祉のボランティア活動をなさっているかたから、からだの不自由なひとびとを「障碍者」と表記したいのだが、どうしても市役所が「障害者」という文字しか受け付けてくれない、というおはなしをうかがったことがある。「碍」と「害」ではまったく漢字の意味がちがう。なぜ「碍」を「害」にしたのか、といえば「碍」が常用漢字にはいっていないからだ。音読みがおなじ「ショウガイ」だから、というので宛(あ)て字にしたのだろう。それはあたかも「読書」を「毒書」と書くようなもので、ともに「ドクショ」と発音するが「読」と「毒」では漢字の意味がまったくちがう。 の部分をあげつらって「情報弱者」と糾弾されるのが避けられないことも同時に指摘せざるを得ない。この部分に関してはただ単に、全く別の成立過程を持つ同音異義語であることを述べれば良いだけのことである。
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常用漢字表改訂に関するパブコメ・その後
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【2009/05/12 15:17】 官公庁・行政
去る4月22日に文化審議会国語分科会漢字小委員会が開催され、4月16日まで行われたパブリックコメントで約220件の意見が寄せられたと報告が為されたそうである。資料では5件以上の追加要望または削除要望が寄せられた字がリストアップされ、同時に現行の常用漢字表からの削除候補とされていた5字は全て削除すべきでないとの意見が5件以上寄せられたとしている。
このうち、追加要望が5件以上の漢字は以下の36文字。垢斡迂嘘膿冤怯楷碍柿愕癌栗牽勾疹棲錐贅蘇揃鷹叩塵吊捏捺濡挽哺賂睦洩悶拗禄 ただ、仄聞するところによれば事務局は追加・削除すべしとの意見の多かった字を列挙した資料しか提示しておらず、個々の意見について個別の字を追加または削除すべしとの理由は資料に添付されていなかったとのことである。さらには今年の秋にも再度、パブコメを実施するとか言う話も浮上しているらしい。
マスメディアは「碍」には全く興味を示しておらず、日本新聞協会が提出した意見書はもとより全国紙レベルで唯一、4月28日の小委員会を取り上げた朝日新聞の記事でもハナから無視されている状態である。
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